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歯の健康や治療についての当院院長のコラムを掲載いたします

口腔機能低下症という病気を知ってますか?

前回金属価格の高騰による使用材料の移り変わりについて説明しましたが、その後もどんどん上がり続け予想の範囲を超えた状態です。

今回はまず人口動態の変化について説明します。現在言われているのは2025年までは外来患者が増えるがその後どんどんへっていき、代わりに訪問診療でないとみれない患者がどんどん増えるということです。以前に自分のようなドクター1人の小さな診療所は対応が難しいので訪問診療は行えないと言いましたが、もうそんな事が言えない状況になりました。今は外来のみの診療ですが少しづつ訪問診療を増やさないといけません。そしていつ訪れるかわからない訪問診療メインの時代に備えないといけません。

それでは当院で新たに始めた「口腔機能低下症」という前回の保険改正時に取り入れられた新しい病気に対する検査・指導について説明します。これはいったい何なのかほとんどの患者も医院側もよくわかってないのが現状です。自分もこの秋に口腔機能低下症の検査を自ら体験するという勉強会にでるまで全く理解していませんでした。最近やっとテレビなどに取り上げられるようになってきました。口腔機能が低下することで老化が速く進み健康寿命が低下することが研究ではっきりと分かってきたのです。今はそこまで強いニーズを感じていませんが高齢者がふえればおのずと高まるでしょう。検査は簡単で痛みを伴う事もないので案外たのしくできるのもいい所です。舌の力を計測したり早口の速度を計ったりします。

検査の結果口腔機能低下症と判定された方はリハビリ訓練を自宅で行ってもらい、半年後にまた検査して治ったかどうか判定するというのを繰り返します。これは医院でも訪問診療でも行えます。対象は65歳以上か特定疾患に認定されている方です。

これまで保険診療について説明しましたが、東日本大震災以降の不景気で急激に減少していた部分矯正や銀歯を白いものに変える審美治療が増加してきています。保険では訪問しないとダメな時代に審美治療は増えるという不思議な現象にどう対応していくのか非常に難しい問題です。まず手始めに元患者に対する訪問診療のニーズを調査するところから始めようと思っています。

合屋 孝則