TEL 0948-28-1322

歯の健康や治療についての当院院長のコラムを掲載いたします

歯がない所に歯を入れる

(その1)
今回は自分の歯がない部分に人工の歯を入れる治療について説明します。
保険診療では固定式のブリッジか着脱式の義歯になります。通常は欠損歯が少ない場合はブリッジになり多い場合は義歯となりますが、欠損歯が少なくても保険でブリッジが出来ない場合もあります。代表的なものは奥の2本がない場合でブリッジはできません。
まずブリッジについて説明していきます。基本は、歯がない部分の前後の歯を削って欠損部を含めた連続冠を作製します。この中間欠損パターンの他に延長欠損が可能なケースもあります。代表的なものは、最後の方の1本のみがないものです。もちろんこれは土台となる歯が健全な場合で、歯周病で歯が弱っていてはできない時もあります。
また、これまでの保険内の説明ではできないパターンの欠損でも保険外では可能になる時もあります。しかしこれは土台の歯の負担が大きいので、後のメインテナンスをしっかり行わないとすぐダメになります。そして、審美性を考えて奥歯の銀を白にしたいという場合も保険外となります。
保険診療のブリッジの話にもどりますが、土台となる歯を削る時に全体を小さくして被せる方法と部分的に少なく削る方法がありますが、これは、全体を被せる方が強度は増しますが、審美性は劣ります。義歯については次回説明します。

(その2)
今回は歯がなくなった部分に歯を作る方法の中で着脱式の義歯について説明します。
義歯は自分の歯が残っている場合の部分義歯と残っていない総義歯とがあります。着脱式の義歯ではどんな欠損パターンでも保険で可能です。
まず、部分義歯についてですが、保険のものは設計や材料が限定されているので、異物感の少ないものや審美性の高いものは基本的にできません。入れ歯はイヤと言う患者さんが多いのはこのためです。
もちろん設計が自由な保険外の義歯を作れば、異物感や審美性の問題は解決できますが、保険外の義歯は費用が多大にかかるので、多数の方は保険のものを作製しています。
次に総義歯について説明していきます。総義歯は基本的な型はみな同じです。保険のものは全てがプラスチックでできていて維持のための特別な設計はなされていません。
持のための特別な設計がなされたものは保険外となりますが、総義歯は基本的に安定が悪く、難しい設計をすると調整や修理が困難になります。歯がなくなってしまっては、いくら高い総義歯を作っても長期安定することは難しいでしょう。
義歯や前回説明したブリッジ以外については次回説明していきます。

(その3)
前回までに歯を新しく作る方法としてブリッジや義歯について説明してきましたが、それ以外の方法となると、口腔内の不要な歯を移植する治療もしくは人工歯根を埋入する治療になります。どちらも歯がなくなった部分の骨にほどよい大きさの穴をほり、中に埋めます。どちらも安定するまで安静に保つ事が必要で期間が長くかかります。また術後のメインテナンスも重要になります。また、これらの治療は口腔内の状態によって可能な場合と不可能な場合があります。
これまで歯がなくなった部分に歯を入れる治療について説明してきましたが、保険外診療も範囲に加えるとかなり多くの治療の選択が可能です。
治療方針の決定を行う前にカウンセリングを行い、後で不満のないようにするとよいでしょう。カウンセリング時には難しい専門用語は必要ありません。治療期間や予算、審美性や異物感、自分の歯に対するこだわりや治療上の希望などを自分の言葉で伝えれば、それが可能かどうか、可能ならばどんな治療が適当であるかの説明がなされます。もちろんカウンセリング後に治療を即決する必要はなく、またカウンセリングのみで治療を行わない事もあります。
この治療は患者さんの口腔内の状態で何が適当かが違うので、まずは相談から始めてください。

月刊 嘉麻の里 8-10|VOL279-281 掲載